スマホの画面には地図があって
「月夜はいま家で引きこもり君になってるからさ。行ってやってよ、雫ちゃん。」
にっこりわたしに微笑んだ鈴原くん
この人は…きっと日向くんのことを
大切に思ってる人のひとりなんだって
わたしと同じくらい…ううんそれ以上に日向くんの存在を大切に思ってるんだって…
伝わってきたよ、鈴原くん
だったらわたしが取る行動は一つしかない
「わ、わたし…行ってくる…っ」
鈴原くんのスマホを受け取って
気付いたら身体はもう動き出してて
「それ、ちゃーんとあとで返してよー？」
鈴原くんの指差す先にはわたしが手に持ってる鈴原くんのスマホ
「うんっ…ちょっと借りるね…っ！」
「ふっ、さっきまで泣き顔だったくせにあーんな笑顔で飛び出していくなんてほんと素直。」
最後に鈴原くんが何て言ってたかなんて気にならないくらいの勢いで
わたしは学校を飛び出した
