日向くんを本気にさせるには。




「これどこかに運ぶの?」

「え。あっ…うん。」



どこに運ぶかまでは言えなかった
保健室…日向くん…海ちゃん…元カノ…

頭の中でこれがループしてる



「そっかぁ。じゃあわたしも手伝うよ?」

やっぱり言うと思った
海ちゃんいい子だから絶対そう言うと思った



「う、ううん。だいじょーぶ!これくらいひとりで運べるよ!」


「え、でも…。」



保健室には日向くんがいて
そこにわたしと元カノの海ちゃんが
集まったら


さっきのループしてた言葉たちが現実に並ぶのが怖い…



「無理しないで雫ちゃん。半分ずつ持てば軽いよ?」


「えっ、あっ海ちゃん!」


ひょいっとわたしが持ってたプリントの山を取って


そのまま歩き出してしまった