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「あっ、瀬崎さん!」
放課後いつも通り帰ろうとしたら
先生に声をかけられて足を止めた
「なんですかぁ?」
「これ、悪いんだけど保健室の小田先生のところまで持って行ってくれる?」
「は…い?」
保健室…この言葉を聞くだけで
ドクッて心臓が変な風になる
「ほら、瀬崎さん保健委員じゃない?」
え、わたし保健委員だった?
あぁぁ…しまった…そうだわたし保健委員だ
ほんの数ヶ月前の委員会決めの時
日向くんとの関わりを増やしたくて
保健委員になったんだっけ
はぁぁ…いまさらすっごく後悔…
「だから、このプリント運ぶのよろしくね?」
「はぁい…。」
あんまり気分は乗らないけど
小田先生にこれを届けに行くだけだし
別に
日向くんとに会いに行くわけじゃない…
って心の中でそう言い聞かせた

