「おはようお父さん」
目が覚めた私は1階のリビングに降りた。
「おお、おはよう。日曜日なのに早く起きたな」
24にもなって未だにお父さんに朝食を作ってもらっている。
「うん。なんか目が開いたんだよね」
「そうか。みそ汁作ったから適当に温めて食べて。今日はずっと家にいるのか?」
「ううん。高校の時の友達とランチに行く」
私はIHのボタンを押してみそ汁を温めはじめた。
「そうか。気をつけて行ってきなさい」
「分かってるよ」
19年前にお母さんは殺された。お父さんは刑事。職業柄人に恨まれる仕事だったのだ。お父さんに逮捕された犯人が釈放後腹いせにお母さんの腹部を刺して殺したのだ。その時にお母さんのお腹の中にいた妹もその犯人に殺された。そのことがあってからお父さんは異常なほど過保護になった。独り暮らしも結婚するまで許してもらえず未だに実家暮らしだ。