お昼は魚類多めの手作り弁当。

天気も良くて、海風に当たりながら防波堤に腰を下ろしてお弁当を広げた。

こんな遠足のようなランチタイムがほぼ毎日のように続いて、ギスギスした生活を送っていた少女時代が嘘みたいで、良いも悪いも感情の波がいつもユラユラしていた最近が幻だったみたいで、どれが自分が送るべき本来の人生なんだろうかとふと思う。

「ブリ、うまっ……!」

お弁当用で事前に調理しておいたブリの照り焼き。

脂がのっていて、甘辛いタレがよく合って、冷めても美味しい。

白米が進む。

昼ごはんもあと一口というところで、一台のバイクがブルブルとエンジン音をふかせながら走ってくる。

そのバイクは、飛鳥が座る防波堤の傍で停車した。