一之瀬さんちの家政婦君


「一之瀬さん、アタシいつの間に眠って……」

飛鳥は寝ぼけ眼を擦(こす)りながら窓の外を見た。

明るく光が差し込んでいた景色は、眠っている間に夜の静けさへと変わっている。

「あっ、夕飯まだですか?良かったらオムレツあるので温めますね」

飛鳥は急に思い出したように席を立った。

作った料理が置いてあるキッチンへ向かおうとしたが、和真に阻(はば)まれてしまう。

「オムレツは後でいい」

「でも、お腹空いてますよね。もう夜の九時を回って――…」

飛鳥の説得も今の和真の前では全てが無意味だった。

和真は今まで抑え込んでいた感情を全て吐き出すかのように激しいキスをする。

飛鳥の両二の腕を掴む手に自然と力がこもった。