一之瀬さんちの家政婦君


室内で一人だという現実に正直ホッとする。

訪問して急に彼の姿を目の当たりにしては気持ちが持ちそうにない。

飛鳥は食材を持ったままキッチンへ入った。

冷蔵庫を開けてみると中はほぼ空。

飲料水と調味料類しか入っていなかった。

仕事が忙しくて掃除も洗濯も最低限のことしか出来ていないのがうかがえる。

家政婦として生活をしていた頃と同じように一通りの家事をこなした。

少しは自分の事に気を遣って欲しいとつくづく感じてしまう。

引き出しから包丁などの調理器具を取り出して料理を開始する。

和真の大好物のオムレツを作る為だ。

野菜を刻んで、挽き肉と炒めて、卵を割る。

好きな人が美味しいと言って食べてくれるものを作るのはとても幸せだった。