喜島珈琲店を後にして、飛鳥はまっすぐ和真が住むマンションへと向かおうとした。
今日は少し前まではお決まりだった男装バージョンの私服を着ているから心配無い。
一秒でも早く彼の顔が見たかった。
しかし、飛鳥はその足を止めてふと思い留まる。
一之瀬さんのために今のアタシにできる事って何……?
きっとそんなに多くない。
だからこそ、今の自分にできる事を全てやってあげたいと思う。
飛鳥は踵(きびす)を返して駅前へと行く方向を変えた。
向かった先は行きつけのスーパー。
店内に入ると「いらっしゃいませ!」と店員が元気良く出迎えてくれる。
買いたいものは決まっている。
卵、合い挽き肉、ピーマン、トマト、ケチャップ……
カゴに求めるものだけ入れて、すぐにレジで精算を終えた。



