一之瀬さんちの家政婦君


ここからが本題だった。

喜島珈琲店で働く事を提案されていた。

その返事をしなければならない。

飛鳥は緊張を和らげようと一度深呼吸をした。

「その事なんですけど、アタシ……もう一度一之瀬さんのところで働こうと思っているんです」

彼女の返答にはさすがの櫂人も驚きを隠せず、飛鳥と向かい合わせの席に腰を据えると「何で!?」と問いただした。

「色々と理由はあるんだけど……」

「そんなに給料がいいの?」

櫂人はさらに重ねて問う。

不躾(ぶしつけ)ながら彼女が一之瀬 和真の元で働く理由はそれしか思いつかなかった。

彼女の全てを分かりたいと願ったが、こればかりは櫂人自身もどう理解を示したら良いのか分からず戸惑いを隠せなかった。

飛鳥が話し出すのをじっと待つ。