「どうしてここに俺がいると分かった?」
「マンションに行こうとしたら杉下さんに会って……」
「そんなに俺に会いたかったのか?」
「…………」
「金を返すだけなら現金書留でも、なんなら杉下に渡せばよかっただろ」
「……そうだけど」
「もう一度聞こう。そんなに俺に会いたかったのか?」
抱きしめられたまま何度も問われる恥ずかしい質問。
新手の嫌がらせだ。
顔が見えないだけで彼は絶対に楽しんでる。
これ以上質問責めにされたら頭がどうかしてしまう。
飛鳥は心の中で“うわーーっ!”と叫び声を上げて、彼の抱擁を振りほどく。
「……会いたかったですよ!会ってちゃんと顔見てお金返して、顔見て……顔見て――…」
今日やっておきたかった事を全て言い尽くしてしまう前に飛鳥の口は塞がれてしまう。
和真からの深い口付けによって。



