一之瀬さんちの家政婦君


何もできずに待っているだけのこの時間がとてももどかしい。


たった数十秒の時間が永遠の時を刻んでいるように感じる。

“ピンポン”とエレベーターが到着を知らせてドアが開く。

飛鳥はエレベーターに飛び乗ってカードを差し込んだ。

これで目的の場所までこのエレベーターは止まらない。

なににも邪魔されず最短で最上階まで向かってくれる。

静まり返ったエレベーター内で、飛鳥は一面に広がる景色を眺めた。

どんどん早くなって上にあがっていく。

飛鳥自身の心拍数みたいに。

再び“ピンポン”とベルが鳴り目的地に到着したことが知らされた。

赤いレッドカーペットが敷かれたスイートフロアに飛鳥は魅了される。

一般のフロアとは何もかもが違う。

目的のスイートルームに向かって長い廊下をゆっくり歩いた。