一之瀬さんちの家政婦君


「でもどうしてお二人が葬儀に?家族葬だったはずですけど……」

幼かった飛鳥に詳しい事情は分からないが、華やかな葬儀をとり行うほどの金銭的余裕もなかったはずだ。

親族ではないばかりか大企業の御曹司である和真がなぜ母の葬儀場に現れたのか理由が気になって、個人的理由に踏み込んでいくようで申し訳なさそうに尋ねた。

「あなたのお母様……藤原 双葉様は一之瀬家の家政婦として我々と共に働いておりました。同時に、和真様の良き理解者であられた。
仕事がお忙しい両親に代わって和真様の成長を見守り、それはそれはお優しい方でした。
大切なお方の最後を見送って差し上げたい……それだけでは理由になりませんか」

杉下が放つ言葉の一つ一つが飛鳥の心に沁み込んでいく。