和真の関係者ならばやりかねないと本気で思った。
「盗聴などいたしておりませんからご安心下さい」
杉下はルームミラー越しに笑みを浮かべる。
またしても自分の考えが読まれてしまった。
飛鳥はあのルームミラーからどこまで見られているのか少し怖くなる。
「じゃあ、どうして……」
「今日は月末。世の中は給料日でございますから」
杉下の言葉に飛鳥の心臓はドキンと脈打つ。
そして、給料袋の入ったカバンに手を触れさせた。
「あなたは和真様に借りたお金を返しに来られると思いました」
「そんなの分からないじゃないですか……」
「いいえ。あなたは必ず来られる。現にこうしてあなたは現れた」
杉下が言うのは結果論だ。
お金を返しに来るとしてもいつ来るのかも分からない人間を待っていたというの。



