そんなはずがない。
藤原 飛鳥という人間をただの娯楽目的で三億という無駄金をはたいて買った玩具にすぎないはず。
自分で購入した玩具にそこまで心を砕くだろうか。
「和真様はあなたをとても大事に思っておられる」
“どこがっ……!?“と声を上げてしまいそうなのを、飛鳥はグッと飲み込んだ。
あの人のことだから外ではそれなりの人間を装っているに違いない。
「あの……杉下さん?」
「はい、何でしょう」
「どうしてアタシが“藤原 飛鳥”だと知っているんですか?一度も会った事が無いのに……。それに、まるで今日あのマンションに来るのが分かってたみたい……」
まさか、盗聴!
飛鳥は慌てて身の回りを確かめるようにしてポケットや衣服など手当たり次第に触っていった。



