俺は負けてからの立ち直り方を知らない。



負けることが怖くて怖くて、


それが芽依に自分の気持ちを伝えられなかった1番の原因なんだろうな。




でも、俺とは違って、大翔は芽依に真正面から向き合った。



俺にだって、負けても負けても勝負を挑んで、だんだん俺に近づく大翔が誰よりも怖かった




だから、芽依のことだって、負けるのが怖くて、負ける前に自分から手を引いた。



俺はなんでもできるカッコいい強いやつじゃない。


人よりはいつも、ほんの少しだけ優れてて、目立つ存在かもしれない。

でも、実際の俺は、負けるのが怖くて、戦うことさえもできない弱いかっこ悪い男だ。



こんな俺だから、1番大切だった芽依を他のやつに…それも俺とは対照的な強いいい男にとられたんだ。



そう思うと、自分の弱さが何よりも悔しくて、何よりも腹ただしくて、


やりきれない思いが溢れた。



芽依…大翔にしっかり幸せにしてもらえよ。