『………もしもし?
もしかして……泣いてる…?』
少し遠慮気味に如月くんが優しく聞く。
あぁ、ほら。
如月くんはいつだって私の気持ちに気がついてくれる…。
なんでこんなに…こんな私なのに優しいんだろう。
そう思うと、少しずつこぼれていた涙が一気に溢れ出した。
「…ぅぅっ……」
『…芽依ちゃん?今どこ?』
きっと、私が場所を言えば、如月くんは来てくれる。
だけど、そんなの、ずっと如月くんに甘えてばっかり。
私こそ、如月くんを振り回してるよね…
「…ごめん。なんでもないから……。」
私はそう言って電話を切った。


