今日から私は母の田舎の実家で暮らす
「……暑い」
セミが高いおとで鳴いている
田舎ってセミ鳴いてるんだ
普段東京で過ごしてる私にとってここの光景はすべてが新鮮だった 車もそんなに通っていないし田んぼや畑で囲まれている
…ちゃんとよく考えて歩かないとどこもおんなじで迷いそう
今からお祖母ちゃんの家へ向かう。小学生以来だろうか、おかげでほとんど記憶にない。中学のときは忙しかったし
最寄りの駅から歩いて十数分後 それらしい建物が見えてきた
ここ、かな。
私は深呼吸をしてインターホンを鳴らす
家の中からパタパタという足音が近づいてくる。そしてゆっくりと玄関のドアが開く
「よく来たねぇ。大きくなって」
中から出てきたお祖母ちゃんであろう人は私を見てにっこりと微笑んだ
優しそうな人だなぁ。笑顔が似合うって言うか。羨ましい。
「入りなさいここはあんたの家になるんだから」