二つの気持ち


気が向かない分けじゃない。

いや、気掛かりなのはあの携帯だ。


ひっきりなしに働いている携帯を、そっちのけにして食事に行っても、きっと気が気じゃないのだ。


携帯の先には、目くじらを立てて、眉間に皺を寄せて、更には血管まで浮き上がらせて、更に更に、目を充血させて怒り狂う井上が居る。


絶対。


気が狂ったように、メールも携帯の着信も、鬼のように入れて来るのだ。



覚悟を決めて、携帯の中身を見るしかないのだ。