はっきり言って、酒癖が悪い方ではない。 自称。 記憶が無くなるほど、酔っ払った覚えもない。 人生に於いて、最初で最後の体験にしたいと思う。 なんて、私の自己嫌悪なんてそっちのけで、知樹は私に聞いた。 「今日、この後用事ある?」 って。 全くもって呑気だ。 あると言えばある。 ないと言えばない。 正直にそう言うと、知樹は笑いながら、 「気が向いたら、何か食べに行こうか」 と、自分も支度を始めた。 …気が向いたら…かぁ…