「このボーカルの子の歌声を信じたいと思った」
「……っ」
「お前もそうだろ?この子の声は、何かが違う。障害者だからか、そんなのは関係ないのか、分からないけど、心が揺さぶられた。なぜか、夢を見たくなった。お前も、そうじゃないのか?」
「…ああ、そうだ。だから、バンドを組んだ」
和田は適当な男で好かないと思っていたが、こいつの言葉を聞いて、そうでもないかもと思った。
「お前たちは、プロになる気はあるか?俺はある。俺は、プロになってすごい有名になって面白い景色を見たいという夢がある。お前たちとなら、それが出来る気がした。この子の歌声が、それを叶えてくれる気がするんだ」
「……俺は、」
「僕も!プロになりたいです!」
イツが興奮気味に俺の話を遮り、俺はイツを見た。
「僕は、有名になりたいとかじゃないけど、このバンドでプロになりたいと思っています!椿さんもそうでしょ!?」
珍しくグイグイ来るイツに戸惑い、つい俺は「おう…」と頷いた。


