俺のバンドのボーカルは耳が聞こえません




そこをどう改善していくべきか、考えてはみたもののそれ以外にも問題が山積みで、俺達は話し合って解決する前に、初ライブ本番を迎えてしまった。






ーダダダダダンッー

「ヒューヒュー!」

また一つのバンドが演奏を終えた。
そして、舞台裏に戻って来た。
その度に俺の心臓は格好悪くドクドクと速くなった。



結局、本番までの出来栄えはまあまあという所で、そしてやはり障害がある状態でのバンド活動は大変なものだと悟った。
だけど、俺は音生がすごいボーカルだって知っているから、そんなものは関係ないと思っている。



今日だって、音生はすごかった。


このライブ大会は、司会者が全ての出場バンドが曲を始める前に、それぞれのバンドのアピールポイントを説明する方式になっていて、その後にバンドが演奏を始めるようになっているみたいなのだが、その時のアピールポイントを何にするかと、大会前にスタッフに聞かれた。

すると音生はすかさず自分の聴覚障害をアピールポイントにしてほしいと言ったのだ。