自分は心を開こうとしないくせして、誰にも本当の自分を知られたくないくせして、誰かの心に少しでも指が触れたらどうしようもない安堵と喜びを感じる。
それは、誰かを支配したい、優越に立っていたいという醜い欲からか。それとも……。
そこまで考えて、柄にないなと気付き、俺はため息を吐いた。
「さて、まずは何をしましょう?」
「そうだな……」
俺は腕を組んで少し考えた後、そういえば、といつか駅前で見た広告を思い出した。
『二週間くらい前に駅前でライブ大会の広告を見たんだけど、まずはそこから始めてみる?』
そうささっと書くと、紙を二人に見せた。
やることもなく街をふらついていた時に何気なく目に入った広告で、興味もなかったため詳しくは覚えていなかったが、それがあったことだけは覚えている。
『いいじゃない、駅前にまだ募集してるか見に行こうよ』
二人とも乗り気だったため、俺達はカラオケを切り上げて早速そこへ向かった。


