俺のバンドのボーカルは耳が聞こえません




『バンド名の案をこの紙に書いていこうぜ』

仕方がないから橋本にも紙とペンを使わせてやった。


『何かカッコいい名前が良いです』

『だから、今からそれを考えるんだよ』

『二人のお話しなら紙に書かなくていいのに』

『いや、音生も会話に入って何話しているか知りたいだろうし』

『そうですよ、一緒に話しましょう』

『ありがとう』

『てかはし本のはしってどう書くんだよ』

『え、そんなのも書けないんですか』

「うるせえな」

俺は橋本の頭をグーの手で思い切り殴る。


「いたっ!何するんですか!」

橋本は頭を押さえながら不満そうに眉を顰めた。

「なんだよ、文句あるのかよ」

俺が橋本を睨むと、腕をトントンと叩かれ、音生に紙を渡された。