振り向くと、音生が俺を抱き締めていた。
その顔はとても辛そうで悲しそうで、俺は振り上げていた拳を下げた。
「音生……」
「はっ」
そんな俺達を、光は鼻で笑う。
「とりあえず、俺はバンドに入るの辞めとくから。椿がやりたいなら勝手にどうぞって感じだけど、まあ、仮にファンが出来たとしても、それは可哀想な人達を助けている自分が好きなやつか、同情から優しくしてやってるだけの偽善者ばっかだろうし?頑張れーって思っといてやるよ」
「光……」
「椿も頭弱いからな。中学の頃から思ってたけど、カッコつけてクールで一匹狼でかっこいいキャラやってたけどさ、結局は傷つくのが怖いだけだろ。そのくせして何かが変わるのを待ってる。馬鹿みたいな夢話を信じて、騙されて傷ついてまた何か今を変えてくれるものを待って。自分一人じゃ何も出来ない弱虫の馬鹿。今回も同じだろ。いや、弱いのにそうやって強がってるとこを見下すのは、俺も結構好きだったけどな」
「……。」
「まっ、障害者同士、社会のゴミ同士、傷舐め合って勝手に夢追ってくださーい」
もう、我慢できない。


