『大丈夫だよ、何言われても』
「……っ」
俺はこんな短時間の内に、再び自分の友人関係のレベルの低さを痛感し、音生に対する申し訳なささを感じた。
『しょせん障害者だろって』
恐る恐るそう書いた紙を渡すと、音生はそれを平然とした顔で受け取り、読んだ後もその顔を変えずに返事を書いていた。
そして返事をもらった俺は、それを読んで目を丸くする。
『みんなに私の歌の覚え方を見てほしいんだけど、良いかな?』
「何言って……」
障害者だと馬鹿にされたというのに、音生へ目を向けると、彼女はまっすぐ真剣な瞳を返してきた。
俺と音生が出会ってまだ間もないが、俺は彼女のたった一面だけを知っている。
それは、彼女がとても無謀な子だということ。
音生は無謀と思える夢を真剣に語り、今だって分かってもらうには無謀すぎる相手に諦めずにまっすぐ向き合っている。
俺にはない強さが彼女にはある。
だから俺は、そんな彼女の歌声にこんなにも魅かれているのだろうか。


