「──古宮さん?」





「へ?あ、ごめん。私も、帰ろうと思ってたところ!」

私は、わざとらしいほどニコッと笑ってそう答えた。


「そっか!気を付けて帰ってね!」

「ありがとう!城戸くんもね!」



私は、乱暴に荷物を鞄にしまうと、準備が出来ていた城戸くんよりも先に、講義室を後にした。

早足で歩きながら、もう一度メールを確認する。






まただ。




また、このメールだ……。




誰が、こんなイタズラするの?




からかうだけなら止めてよ。





私は、ゴミ箱のマークをタップすると、すぐにメールを消去した。