ぎゃふんと言わせに君は来る




 好き嫌いはあって当然だが、あからさまな態度は如何なものか。

 手をかける人と決めた人には、本当にいいことをしてくれる。が、どうでもいい人には本当にどうでもいいと放っておいている―――彼の担任は、そういうところが若干あった。
 見下している、そんな感じが。



「警察官かぁ…かっこいいよね」
「ですよねですよねぇ。俺はかっこよくはいけど、かっこいい姿勢の警察官になりたいなーって。モテるかな」
「動機が不純」
「うそうそ嘘ですって。警察官素直にかっこいいからなりたいなーって思ってたんですけど」
「ど?」
「やっぱ無理かな」
「本気になって勉強すれば、なれるんじゃない」
「数学駄目でも?」
「駄目なままにしてたら駄目でしょ」



 そうっすよね、と項垂れる彼を見て何となく、羨ましいなと思った。

 なりたい姿がはっきりあるというのは、なりたい姿が無くて困っている私からすると、凄いなと思う。
 だから、御来屋の担任の決めつけがちょっと腹立たしかった。



「先輩は何になりたいんですか」
「億万長者」
「今キャリーオーバーっすからね!っていうことで、マジな答えは?」


 
 教えない、といったそれに狡いと文句が出る。教えないというか、無いんだよなと言わずにいた。

 御来屋が私に話しかけてくるのは、珍しい事ではなかった。御来屋は人懐こくて、知っている先輩だと話しかけてくるのを知っている。私の名前を知っているのは私が図書委員として図書室を開けていたそれに、絶対借りないだろうけど遊びに来ていたからだろう。

 名前なんていうんスか、って。