私の家族は、どちらかというと文系だった。その影響なのかどうかはわからないが、私は数学とか投げ出したくなるほどだった。もっとも、英語のほうが悲惨だったが。

 嫌いだからといって、やらないということは出来ない。


 バス時間が過ぎてしまったせいで、私は数時間学校に残ることになってしまった。バスは数時間に一本とか二本とかしかない田舎だからか、逃すと痛い。


 教室だとやかましいので、図書室へ。


 図書室はあまり人気がないどころか、普段鍵がしめられている。何故そうなったかというと、私より上の先輩方が図書室にあるソファーでイチャコラしたり、カップルの巣窟となったからだ。

 その後、あれは不味いとしてそんな不届きもの(生徒指導の先生がいっていた)がいなくなった。
 これで自由に本が読める!という熱心な人も殆どいない。昼休みに係になった生徒があけるくらいだった。係だってたまにサボるし、係か、先生が開けないと、図書室はずっと鍵がかかったまま。

 本が読みたい!というような熱意(?)がある人も少ない。知っているのは、私と、後輩の子くらい。

 そんな図書室の鍵を、私は頼んで借りてきたのだ。係にもなってるし、勉強するからとかいえば、先生はすんなり許可してくれる。