桜の約束

気付けばもう3月。
桜が蕾をつけていた。
陽菜)「もうすぐ、咲くかなぁ。」
翔琉)「そうだな。」
陽菜)「早く見れるといいね。」
翔琉)「……なぁ、ちょっと話がある。」
陽菜)「ん?嬉しい話?悲しい話?」
翔琉)「嬉しくはないな。」
陽菜)「そっか。で、なに?」
翔琉)「俺さ、留学するんだ。」
陽菜)「どのくらい?」
翔琉)「桜見られないかもしれない。」
陽菜)「……約束したじゃん!」
翔琉)「ごめんな。」
陽菜)「嫌。寂しいよ。何でもっと早く
言ってくれなかったの!?」
翔琉)「……ごめんな。」
陽菜)「またそれ……?」
悔しくて、苦しくて、涙が止まらなかった。
その日から、私は翔琉と話さなかった。
しょうがないのは分かってる。
でも、言ってくれなかったことが悲しかった。