校外学習当日。

2学年全員はバスに乗り込んでいた。

あれから藍と美夢ちゃんと私は仲良くなり
学校でも一緒にいるようになった。

おかげで美夢ちゃんのことたくさん知れたし
もっと可愛いなって思うようになったし…。

「みこちゃんは好きな人いないの?」

そう美夢ちゃんから聞かれた瞬間焦ったけど

「年上に好きな人いるんだよ!」

と藍が切り抜けてくれたので安心した。

そして先生との距離もぐっと縮まった。

食事係だけで集まる会があった時に
たくさん先生から話しかけてくれたのだ。

「これから校外学習で作るカレーの材料、一緒に買いに行かないか?」

とか誘われて…。

その時はなんにもなかったけど次の日くらいから
意識しまくっちゃって。(苦笑)
先生に「避けてんの?」とか聞かれたり…。

ということがいっぱいあって
濃い2週間を過ごした。

そして今日。

「みこ?」

「最近ぼーっとしてること多いよ、みこちゃん」

2人から心配されつつ大丈夫だよ!と言った。

熱っぽいのかも。
頭がくらくらする。

そんなことはさておき楽しい校外学習にしよう!

そして、2時間後__。

森の中で先生からの注意事項を聞き
班活動に移った。

「…夜までに木を集めろって。」

「とんだ奴隷だよな。」

男子がブツブツ文句を言ってる中

私たち女子3人は黙々と木をかき集めていた。

ところどころに虫がいて気持ち悪いんだけど…。

「いった。」

やば。枝で手切ったかも。

「大丈夫!?…え、血が!」

「ちょ、大口くんっ、先生を!」

先生?…呼ばなくていいよ。
迷惑かけちゃうだけだよ。

「せ、せんせー!横澤が!!」

そうとも知らず大口くんは先生を呼びに
走って行ってしまった。

それにしても…

「出血多くない?!大丈夫?!」

同じこと思った。出血が尋常じゃないくらい多い。

そんな深く切ったかな…。

「大丈夫だって!へっちゃらだよ!」

枝で切ったくらいどーにかなるって。

そう思ってさっと立ち上がると
目の前がくらくらして
足にうまく力が入らない。

「…っ」

立ちくらみが…。
結構つらいかも。

そう思った矢先、

「横澤…!!」

先生が、走ってきて…

「大丈夫か!?」

息をきらしながら助けに来てくれた。

もうかっこよすぎだよ…。

「大丈夫…です」

口にだそうとしてもうまく声が出せない。

あ、頭がくらくらする。

やばいっ…

「横澤!!!」

そこで意識が途絶えた。