高校2年になって担任が変わった。

「今日から2年3組の担任になった佐伯柊太(さえきしゅうた)です。よろしくな!」

一目惚れだった。

イケメンで高身長。おまけにイケボ…!!
まさに私が探し求めていた王子様…!!

私こと、横澤美恋(よこさわみこ)は
ごく普通の女子高生。
勉強も運動も中の上で、顔も平均レベル。

そんな私が恋したのはこのイケメン先生である。

「えーっと、名前と顔が一致しないから1人ずつ自己紹介してくぞー」

先生の一言に教室がざわめきだす。

「ザワザワすんなー!じゃあ、名簿順からな!
鮎川愁(あゆかわしゅう)」

ざわつく生徒に注意して自己紹介を進める先生。

「はーい!鮎川愁でーす!サッカー部所属で、クラス1のイケメンでーすっ!よろしくお願いしまーす!」

お前はチャラいだけだろ!と周りからやじが飛ぶ。
へらへらしながら愁は席に座った。

その後も自己紹介が続いていき…
次は私のばん!と思いきや…

はぁ、佐伯先生かっこよすぎ…。
先生が彼氏だったら毎日キラキラしてて、楽しいだろうなぁ…。

「…さわ」

先生と2人きりで話すことなんてあるのかな!?
あったら死んでもいい!その日1日幸せだよ!!

「よ…さわ!」

あぁ!2年3組でよかった!!!

「横澤!!」

びくっ

「は、はいい!?」

突然呼ばれたから思わず声が裏返った。
すると周りはどっと笑いに包まれた。

「そんな驚かなくてもいいだろー?自己紹介頼むな!」

先生も笑っていて、その笑った顔がなんともいえないくらいかっこよかった。

「え、えっと、横澤美恋です!…趣味は、イケメン探し…です?よろしくお願いします…」

自分で言ったことをイマイチ理解できないまま
着席した。

それにしても!先生の笑った顔がかっこよすぎる!
はぁあ、生きてて良かった…!

「よし、終わりだな。だいたいは覚えたから今日からよろしくな!」

先生がそう言って休み時間に入った。