「瀬戸!横澤を離せ!」

突然屋上のドアが開いたと思ったら、、

……先生。

先生が屋上の入り口に立っていた。

なんでいつもいつも…

先生は助けてくれるんだろう。

先生のばか。

また先生を好きになっちゃったよ。

「なんで…佐伯先生が来るんだよ。」

ちっと舌打ちをして瀬戸くんは私の首を離して
屋上から出ていった。

はぁ、やっと解放された…。

その安心感と恐怖で体が震え始めた。
自然と涙も出てくる。

すると先生が私のところにやってきて後ろから抱きしめた。

「怖かったな、ごめんな、すぐ助けられなくて」

泣いてる私の背中を優しく摩ってくれる先生。

先生、なんで先生は私のこと助けてくれるんですか?
先生は私のことどう思ってるんですか?
先生、私、先生のこと好きです。
先生と出会ったあの日からずっと好きです。

溢れ出す想いは涙に変わる。

私はこんなにも先生のことが好きなんだと
改めて感じた。

「先生…」

「ん?」

「先生は…私のヒーローです。」

なんだそれ。そう言って笑う先生。

だってほんとのことだもん。

「先生はいつも私のこと助けてくれるから…」

校外学習のときも今も先生に助けてもらって…
こんなに人に助けられたのは初めてかもしれない。

ぼそっと言った私に先生はふっと笑い

「前も言ったけど、お前のことが心配だからだよ」

やっぱり先生の笑った顔は、かっこいい。

なんでそんなに素敵な笑顔なんだろう。

そう思っている間も先生は私の背中を摩ってくれていた。

そしてさっきまで怖い思いをして震えていたのに
先生のおかげでいつもと同じ状態でいられるようになった。

先生の力ってすごいな。

これが佐伯先生じゃなかったら違うこと思ってたんだろうけど。

私、

先生がいなかったらきっと、
恋もせず、キラキラした毎日は送れなかった。

でもあの時先生に出会えたから
いまの生活があるんだと思う。

先生に恋した期間はまだ短いけれど
これから先も、先生を好きでいる。

先生。

恋をさせてくれてありがとう。