そこからの時間は長いようで短かった

課題曲とトゥーランドットが終わったかと思えば、ポップスに

だんだん最後に近づいてくる

最後 最後

しずか先輩の、あの音さえも、最後

今までと違う感情が 湧いてくる

城山中学校も入ってきた

音に厚みが増し、スケールが変わってくる

響く

これで、浜島先生とは最後

次のアンコール曲で、小口先生とは最後

演目では最後になっているオーメンズオブラブが終わり、拍手が湧く

次第にアンコールの声が飛び交う(これは歴代先輩達が言ってくれてるだけなんだけどね)

そして、最後の曲、、、

の、前に

しずか先輩が口を開けた

『せーの』

そしてフルートメンバー皆で言った

『ちょっと待ったァー!』

会場さざわめきが渦巻き、小口先生も、案の定頭の上に?を三個ぐらい浮かせていた

ここですかさず部長の白井恵先輩が一言

「小口先生、お気をたしかに!」

じゃなくて、、、

「小口先生、前におこし下さい」

戸惑いながらこぐてぃーがポトポトと歩いてくる

今なら?が4つ付いてくる!更におまけで!!!も付いてくる!これでなんと800円だなんて言うから驚きだ!!!

安いのか高いのかわからない冗談はやめよう(この場合私は高いと思うんだけど)

「小口先生、今まで本当に、ありがとうございました。あちらを、見てください」

指さしたのは、スクリーンの方向

映像と、音楽が流れる

そこには事前に用意していたサプライズビデオがあった

パートごとにメッセージを書いて写真で撮り

繋げて音楽を付けたものだった

「小口先生、本当、本当に、ありがとうございました」

先輩達が花を送る

綺麗な、綺麗な

こんな日に丁度良い。明るい白の 美しい花であった




ピアノが、流れる

「歌うので、聴いてください」

弾いているのは、我らがパートリーダー。さくら先輩である

滑らかに動く旋律に、声が、交わる

貴方が、大切

一人ぼっちじゃないんだよ

いつだって、貴方がいたから

僕は、、、




泣いている人もいた

悲しんでいる人もいた

脱力している人もいた

これで最後

これが最後

これからが、始まる

また新しく

人が抜け

人が入り

そんな慌ただしい世の中で

この部活で、このパートで、この学校で会えたことに

奇跡を感じた

そんな日だった