私はこんな人間だったことに、ショックを受けてしまった

それは、先輩の転校よりも

遥かに上を行くものだった

そのショックを直に感じることで、違う意味での涙が出そうになった

先輩が居なくなるからの涙じゃなくて

こんな私への涙がでること

そんなに私は落ちぶれてないと信じたいので、涙は堪えてまっすぐしずか先輩を見た

どういう、顔なんだろうか

何ともいえない表情に、少し戸惑う

「、、、明後日の、オーディションは」

「、、、別に転校するからしなくてもいいんだけどねー」

ぐっと叫びたい気持ちを堪えた

先輩違いますよ

先輩は多分まだ吹いていたいと思ってますよね

3日後まで、だとしても

ピッコロを諦めたくなんてないですよね?

先輩のあの顔は、そんな顔をしている、、、

だけど、言えない

私は、保身に浸っているから

卑怯なの。

少しでも可能性をねじ伏せたくて

そんな、こと、言えない







言えないんだ







気がつけば、口が開いていた

「先輩。諦めないでください」

「え?」

「まだ、確定ではないんですよね、、、?」

「そうだ、けど」

「だったら、まだ勝負はついてないんです。先輩が言い始めたんですよ!?」

ハッとしてしずか先輩はこっちをじっと見た

「、、、そうだったね。

ごめんね。私のせいでここまで振り回しちゃって」

「それを、言ってほしいわけじゃないんです」

「、、、限界の時間まで、頑張るよ。お互い、頑張ろうね」

「!、、、はいっ!」

なぜだかスッキリした

自分の意見が言えることは、こんなにもスッキリすることだったか

本音は必ずしも言うべきではない

だけど、ここぞというときにぶつけるというのは、必要だと、私は思った

あと、3日

どんな結果でも、最後だから