お前のために俺はいる

「ドーナツ美味しかった〜♪江藤くん、ごちそうさまでした」


ドーナツを食べ終えた梨奈は、横に座る江藤にお礼を言った。


「じゃあ、私は帰ります」


「梨奈ちゃんが喜んでくれるだけでマジ嬉しいわ」


江藤は梨奈が好きなんだな。


「俺も梨奈ちゃんと一緒に帰るわ」


江藤は立ち上がった梨奈を追うように、


急いで最後のひとくちを飲み込むように食べた。


「おぅ!頑張れよ、江藤!」


俺はまだ飲み終えていないアイスコーヒーを指差しながら、


「俺はまだここにいるから、またな、江藤」 


江藤に向かってそう言った。


「早く好きだって言っちゃえよ」


その後小声で江藤の耳元でささやいた。


「うっせーわ、明日学校で冬馬の話聞くから教えろよ」


耳を赤くする江藤。


可愛いとこあるじゃん、、、。


店を出る前に振り返り、俺に小さく手を振る梨奈。


その表情に俺はまた由奈を思い出していた。


由奈と梨奈、、、。


またひとつ俺の知らなかった事実を知った日だった。