「由奈?」


俺はそっと由奈の手を握って由奈の名前を呼んだ。


まだ体温を感じる気がしたその手は何時も手を繋いだ由奈の手。


「由奈っ、、、、、由奈、、、」


何度呼んでみても返事はなかった。


「冬馬君、、、ありがとう」


後ろから聞こえる由奈のお父さんの声も震えていた。


悲しみしかない空間。


俺は声を出して泣いた。


何も言えなかった。


「由奈は冬馬君が大好きだったから」


由奈のお母さんも泣いていた。