美桜の異変に気付いた満は、まだ濡れている髪の毛を首にかけているタオルで拭いている弟に抗議する
「ちょっと大志!!あなたは何度同じこと言えば気が済むの!!あなたの体は美桜様にはまだ刺激が強すぎるのよ!!何か上に羽織りなさい」
自分のせいで大志が責められるのに不甲斐なさを感じたが、それでも今は満の言葉に美桜は感謝した
大志のむき出しの筋肉を間近で見られるなど滅多にない機会なのだが、やはりまだ箱入り娘の美桜は男の体に免疫がないので、自然と興奮状態に陥ってしまう
だから出来るだけ早くもう少し露出が抑えめの衣服を羽織って欲しかったのだが、大志は満の言葉には従わなかった
しかもあろうことか、顔を両手で覆い、蹲っている美桜の目の前に胡坐をかいて、座ったのだ
突然目の前に人の気配を感じ、そろーっと視線を上げると、そこには大志の顔があり、美桜の視線はすぐさま両手の中に戻っていった
「大志!!あぁ、もう!!誰か大志の部屋から上着を持ってきなさい。出来るだけ露出が低めのをお願いします。ほら、あなたは着替えに行くのですよ!」
満が大志の腕を引こうとするも、やっぱり力では敵わず、ぴくりとも動かない弟の頭をぺしぺしと叩きながら、ため息を吐いた
「このままでは美桜様が興奮で気絶してしまいます。お願いだから、動いてちょうだい」
しかし大志は全く動く気配がなく、むしろ縮こまってしまった美桜を威圧するように凝視している
もうこのままでは埒が明かないと、大志の上着を取りに行かせた使用人が戻ってくるのも待たずに満は大志の部屋へと駆け出した
満とその使用人がいなくなり、二人っきりになった部屋で、大志はゆっくりと口を開いた
「…顔を、上げてはくれないのか?美桜」
「ご、ご勘弁を…」
今顔を上げたら、大志の色気にやられて、いったい自分が何をやらかしてしまうのか美桜には想像がつかなかい
もしもそこで大志に嫌われるようなことがあったら美桜は本気で生きていけなくなる

