「…それで、今日はどうしてこちらの高校に…?」
大志の笑顔に胸をきゅんきゅんさせながら見惚れていると、突然返事に困るような質問を投げかけられ、美桜はギクッとなった
しかし先ほど大志から『婚約者』発言をしてもらったので、焦る必要などないかと美桜は正直に答えた
「もちろん、大志様にお会いしたかったからですわ」
昨日の非礼を詫びたいのは勿論のこと、一番の目的は大志の姿を拝見することだったので自信満々に言ったのだが、その答えを聞いた大志の表情はどこかぎこちなかった
「…そうか」
すると今度は視線を逸らされ、先ほどまでの大志から漂っていた穏やかだった雰囲気がまったく感じられなかった
何か大志の機嫌を損ねるようなことを言ってしまったのかと焦る美桜はどうしましょう、どうしましょうと必死に頭を動かしていると大志のほうが先に口を開けた
「確か流水の屋敷はここから少し離れたところだったな」
「え、えぇ…」
「せっかく訪ねてきてくれたんだ、責任もってお送りしよう」
突然のことで混乱してしまっていたが、どうやら大志の機嫌を損ねたわけではないとわかった美桜はホッと胸を撫でおろした
きっと自分がなにか変なことを言ってしまった、或いはしてしまったせいで大志様が戸惑ってしまったのね
と結論付けた美桜は大志の提案に頷くと、二人はゆっくりと歩み始めた

