「亮。自分を責めるなや。あれは事故やってん。」


子供のように泣きじゃくる亮。

「あの時お前じゃなくて俺やったかも。いや。すばる、信五やったかもしれへんねん。せやから…自分を責めんなや。」

亮を抱く手に力が入る。


「…俺やねん…せやけど…俺が殺してん…。」


まるで自分に暗示をかけているかのように
その言葉を繰り返し口にする亮。   


「亮。いい加減にしいや。次その言葉、言うたらほんまに怒るで。」


今にでも消えそうな亮の姿が
痛いほど目に沁みる。

「…。」

黙ったまま無言の亮。


「怒るで。」


言葉を噛み締める裕。

「今日な花火すんねん。章大が好きだった花火や。亮も来るやろ?」

自分の身体から亮の身体を離すと
目線が合うように亮を見る。


「来いや。」


口角をあげ微笑む裕に答えるかのように弱弱しくうなずく亮。