ヘルメットを章大へ差し出す。
無言でヘルメットをつける亮。
   

「何でやねん。せかっく運転できたんに。」


ふくっれつらの章大。
何も言わない亮。
ポケットからキーを取り出すと章大へと差し出す。
驚いた表情の章大。
   

「ええの?」
   
「ああ。運転させてやるからには約束しろや。」


章大を見る。
   

「スピードはださないこと。」


バイクの後ろにまたがる亮。
   
「するする。」

笑顔になる章大。










鍵を回しエンジンをかける。
エンジン音。
排気ガスの嫌な臭い。
   
「よかったな。」

博貴のバイクの後ろから声をかける忠義。
   
「じゃあ。先に行きますわ。」

忠義を後ろに乗せ走り出す博貴のバイク。
   
「まぁ。のんびりこいや。安全運転やで。」

裕が章大の肩を叩く。
   
「保護者がついてるで大丈夫ちゃうか。」

亮を見る信五。
   
「すばる、何かアドバイスことある?」
  
「こけるなよ。」

隆平の問いかけに悪戯に笑ってみせるすばる。
   
「それって注意事項やん。」

裕の後ろには信五が
すばるの後ろには隆平が
あっというまにバイクのスピードをあげていく。