ジュースをぐいっと飲み干す亮。
その横でしょげている章大。
   
「章大どうしたん?」

イジケル章大へ声をかける忠義。
亮を横目でみる章大。
   
「運転したいんやって。」

答えない章大の代わりに裕が口を出す。
   

「章大って免許持ってたん?」
   
「最近取ったんよ。」


驚く忠義に答える博貴。
   
「じゃあ。問題あらへんや。」
   
「そうなんやけど保護者がうんって言わへんねん。」

亮に目を向ける信五。
   

「なるほどな。あきらめろ章大。」


睨むような目で見返す亮。
   

「何でや。なぁ。亮お願いや。ちょっとだけ、ちょっとだけでええねん。」


手を合わせ懇願する章大。
   
「あかん。俺死にたないもん。」

冷たい口調の亮。
   
「ええやん。ちょっとだけ言うとるんやから。」

助け舟をだす隆平に冷たい目で睨む亮。
   

「あきらめろ。章大。お前の保護者怖いねん。」


目をそらし章大の肩を叩く隆平。
   

「そんな。」


大袈裟に落ちこむ章大。
  
「そんな運転したいん?」
   
「したい。」

目を輝かせすばるを見つめる。
  
「させてやってもええで。」
   
「ほんま?」
  
「別にええよ。」

嬉しさで顔をクシャクシャにさせ喜ぶ章大。
   

「休憩は終わりや。」


章大の腕を掴みその場を立ち去る亮。
   

「何でや?すばるが運転させてくれる言うたのに。」


嫌がる章大。
   
「亮も素直やないな。」

亮と章大の後姿を見送る信五。
   
「最初から運転させてやるって言えばすむことやん。」
   
「にしてもようすばるも思い切ったこと言うな。」

その光景を微笑ましく見つめる裕と信五。