「なぁ。雛乃どうしてるん?」


言いにくそうに口を開く亮。
亮の発した言葉に今の今までふざけていた三人が振り返る。
   
「どうしとるって元気しとるよ。」

普通に答える博貴。
   
「そや。退院したんやってな?」
   
「通院でようなってん。今はうるさいくらい元気やわ。」

忠義の問いにふざけたように答える。
   
「そうか。」

ボッソと呟くと顔を伏せる亮。
   
「どうしてん?亮?」

亮の背中をこつく信五。
   

「いや。何でもないわ。」


ひきつった笑みを見せる亮。

   






「なぁ。亮?」

言いにくそうに口開く忠義。
   

「…。」
   
「やっぱええわ。」


亮から視線を逸らす。
   
「何やねん。」

後味が悪い言葉に反応する亮。
   

「なぁ。あの時…。」

「やめろや。」


忠義の言葉を遮る信五。
さっきまでの表情と打って変わって険しい表情をみせる。
  
「俺も聞きたい。ほんまのこと。」
   
「すばるまで何言うてん。」

焦ったように口開く信五。
  

「だってそうやろ?いつまでもこのままやあかんねん。」


信五を見るすばるの目が全てを物語るように見える。