『ねぇ。章大。 思い出の中の章大はいつも笑ってて 決まってうちにこう言うねん。 “その顔のほうがよう似合う”って 言ってや。 あの時みたいに また言うて。』 窓から差し込む光。 ベッドに顔を伏せ眠る博貴。 その寝顔を見つめる雛乃。 「傍におってくれたん…。ありがとう…。」 博貴の肩にはおっていたカーデガンをかける。 「もう泣かへんよ。うちの笑顔が好きなんやろ。」 窓の外に目を向ける。