りんご飴。焼きそば。フランクフルト。
ヨーヨー釣りに金魚すくい。
夜店がつらなる。
たくさんの明かりにつられるかのように
普段静かな一角に人々が集まる。
何処を見ても人。人。人。
そんな人並みの中を掻き分けるかのように
歩く二人の姿。

「なぁ。章大。待ってや。歩きづらいねん。」

浴衣に足をとられ歩く雛乃。

「そんなカッコしてくるからやろ?」

後ろを振り向く章大。


「さっきは可愛いって言ったやん。」


ほっぺたを膨らませ立ち止まる雛乃。

「あ゛~。もう。しゃあないな。」

照れたように雛乃の手を握る。

「行くで。」

赤く染まる二人の頬。





   

夜空。
大きな音ともに
綺麗な大きな花が咲く。





  

「綺麗やな。」

立ち止まり空を見上げる。
   
「ほんまやな。」

花火から雛乃へ視線を移すと
月の明かりの下。
雛乃の頬に口付けする章大。
   

「来年も一緒に見ような?」
   
「ほんまに?約束やで。」
   
「約束や。」


見つめあう章大と雛乃。
そっと唇をかわす。