もう少し優しく渡してくれれば良いのに。心の中で文句を言いながらも流石に身体が冷えてきたから大きなタオルで自分の頭から体までなんとなくふく。
「で、どうする?風呂入る?それとも言いたいこととりあえず言う?」
選択肢を与えてくれるのは、優しさなのかそれともたださっさと終わらしてしまいたいのか、どっちだろう。
「…お風呂」
どっちにしろこの冷えきった身体を温めたい、という気持ちが勝ったからお風呂を選ぶ。
「ん、どーぞ。」
それだけ言って部屋に向かおうとする理玖。自分勝手だ。
そんなこと口に出すことはせず、お風呂に入る。まだ入れたばっかなのか少し熱い、けどそれ位が今の体温には染みてきて丁度いい。

