雨のせい【短編】


「…ねえ、もう1回聞くけど、お前は俺と別れたいの?」

言ったって私のこと名前では呼んでくれないんだね。

「理玖がそう望む、なら。」

自分で言った言葉だけど、私ってなんて面倒くさい女だろう。
こんなの全部理玖押し付けてるだけだ。

名前を呼んでくれない理玖は嫌い。

だけどそれ以上に面倒くさい自分が嫌い

「なにそれ。俺が別れたいって言ったら別れんの?」

小さく、頷く。だってそのつもりだし。


「そう、なら別れる?」