雨が降る。傘もささずその雨の中に立つ私の体温はどんどんと下がっていく。

それと同時、いやそれ以上の速さで心の中の何かの温度も下がっていく。

涙は出ないが心の中は黒に染まっていく気がした。
どんどん広がっていずれ私の中のすべてが黒くなってしまうんではないかと思うほど、だった。

理玖が他の女の子と並んで歩いている

言って仕舞えばたったそれだけのこと。

たったそれだけでも私の心は真っ黒だ。