バスに揺られること20分。

学校から20分程で駅につく。

菜穂ちゃんとは駅でお別れ…

「また明日ねー!」

「ばいばい!」

私が乗るのは3番線。菜穂ちゃんは電車。

バスから降りてすぐに3番線前で待機。

いつもはケータイ小説読んだり、音楽聴いたりしてるんだけど、今日はなんだかいつもと雰囲気が違う気がして…ただただ立って待っていた。

──予感的中。

いつもは居ないはずの藤品さんが後ろに並んだのだ。

藤品さんはこれっぽっちも気にしていないと思うけど、私にとっては大事件!!

髪の毛はねてないかな!?ボサボサじゃないかな!?スカート変じゃないかな!?

こんなことが頭の中でぐるぐる渦巻く。


「……なぁ。」

低い声の男の人に声をかけられた。

どこか懐かしい声。記憶の片隅に追いやられていた、声。

思い出すのにそう時間はかからなかった。

この声の持ち主は────。