でも、藤品さんは気づいてくれていた。

藤品さんのクラスの人が私の悪口を言っているのを見つけると、

「お前ら、佐田さんのこと悪く言うなよ」

って言ってくれてるらしい。

それに、

「困ったことあれば、なんでも俺に相談しろよ?たまには、役に立ちたい」

って言ってくれる。

それが嬉しくて、陰口はそこまで気にならなくなった。

──藤品さんと話すようになって1ヶ月半ぐらいたった。

藤品さんとお互いのことを話したり、時にはテストの点が悪いだの授業中眠いのはどうしたらいいのかだの小さな相談をしていた。

藤品さんからみたらくだらないであろう日々の会話。

私にとっては大切な時間だった。