ある日、たまたまバスで帰る日があった。

俺の前には佐田さんが並んでて、俺はいつもとは打って変わって無意識のうちに話しかけてしまっていた。

「なぁ。」

こんな無愛想な言葉。

同じ制服でも怖いよな…

知らねーやつに話しかけられて…

「藤品さん……ですよね。中２の時、団長さんだった…」

なのに、佐田さんから帰ってきた言葉はこれだ。

拍子抜けしちまうよ。

無意識に話しかけたら帰ってきた言葉がこれまでに無いほどの嬉しい言葉だったんだから。

それから俺らはバスに乗りこみ中学の頃の話を沢山した。